筆の動く儘に

妄想と創作の狭間を漂流する老人のブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

古今和歌集

あられを頂きました。六歌仙ならぬ十菓撰とは洒落てますね。歌を詠む人が歌人ならあられを食べる人は菓人かしら。お正月は孫と百人一首してみよう。

年の瀬 繁華街 イルミネーション

繁華街を歩く人はいつもより足早だ。新年を迎える興奮なのか辛かったこの一年を吹っ切りたいのか、その心持ちは人それぞれだろう。 イルミネーション流行りの近年。いたるところイルミネーションだらけだ。青、赤、紫、黄、白と数種類のLEDが輝いている。一…

映るもの

マグカップに注いだコーヒー。これは本当は何色なんだろうとしばし見つめる。するとコーヒーがスクリーンに変わりいろんな物を映し始める。だから朝のコーヒーは時間がかかる。

意識とは

片手にコンビニ弁当の入ったビニール袋、もう片方の手にはお湯を入れたカップラーメンを持った男が歩道橋から降りてくる。信号待ちをしている交差点の向こう側およそ百メートルのところにコンビニがある。おそらくそのコンビニから出てきたのだろう。コンビ…

脳と体

アラカンともなると過去の時間軸に距離感がなくなり昨日のことも一か月前のことも「この前」というカテゴリーに分類され一年前、三年前は「以前」に分類される。四年前、五年前は「あの時」それ以上の過去は「昔」という具合だ。この前学習したことは確かに…

大和八木にて

お茶をすすりながら団子をいただく午後三時。ふと恋飛脚大和往来が頭に浮かぶ。大坂から竹ノ内峠を越える二人の心境に想いを馳せる。新口村はすぐそこ。

眼鏡の紐

便利ではあるが使ってみて分かる不自由もある。紐が無い不自由と紐がある不自由を比べるべきなんだ。要するにメリットに目が眩んで決めちゃ駄目だということ。デメリットつまり短所を見極める目、それが大人の分別というやつだ。で、一番見極めなきゃいけな…

シミと味

そりゃぁあたしだって若い頃はシミなんかひとつもなくってキレイなもんだったわよ。でもね味はね今の方が美味しいんだからね。

再会

遠い記憶のおまえの面影忘れていた訳じゃない思い出さなかっただけ 突然の再会三十八年という時間懐かしさより悲しさがこみ上げる ああ口内炎どうして今なの完全にさよならした筈なのに ああ口内炎なぜに今頃一緒だったあの日がまたふたたび

人を恋うる歌

妻を めとらば 才たけて みめ美わしく情けある 旧表記は「人を戀ふる歌」で、読み方は「ひとをこうるうた」 人を恋うるとは特定の異性を好きになりその人のことを思うこと。あるいは特別な場所などを思うことです。 与謝野鉄幹が「人を恋うる歌」を作ったの…

老眼と狂人

四十歳を過ぎた頃から老眼が始まりました。年々老眼は進み個人差はあるものの大体七十歳頃で止まるそうです。老眼の進行が止まる事を「老眼の完成」と言うそうです。私の場合年寄りとはいえまだまだ老眼完成の域にはほど遠く、年に一度は眼鏡を作り直す事が…

秋の気配

リリリリリリリ秋の虫が鳴き始めました。 夜明け前の激しい土砂降り。陽が昇ると雨は止みました。よく晴れた朝はとても涼しくて秋の気配を感じました。日中は少し暑かったけど昨日や一昨日とは趣が随分違う一日でした。 夏の初めの蝉の声に胸は高鳴ります。…

旅先にて

旅の疲れを癒やしてくれるのは何と言っても窓からの眺望。 西向きの窓だからきっと綺麗な夕焼けが見えるに違いない。 期待を込めて窓のカーテンを開ける。 シャーーーー 見えたのは向かいの部屋の窓でした。

降って来たね、相合傘と洒落込もうか。

茱萸

君は茱萸の実を齧ったことがあるかい 今朝僕はご近所の茱萸を一粒失敬して齧ってみたよ 朝日に照らされキラキラ輝いてとても美しかったからさ 渋くて酸っぱい茱萸の実は甘さのない葡萄のよう それは甘いことなんて滅多にない日常を思わせる味

百万ピースのジグソーパズル

人は生まれ落ちたその瞬間から百万ピースのジグソーパズルに取り組まねばならない。最初から百万ピース全てを持っている人などまずいない。ピースを並べていくうちに手詰まりな状況が必ずやって来る。それがいつなのかは人それぞれ。完成するまでにたった一…

人の身体

おはようございます。 僕は毎晩イヤホンをして音楽を聴きながら眠りに入るのですが左側がよく外れます。 左耳の穴が少し小さいのかもしれません。 人間の身体は左右一対になっている物が多くありますが比べてみるとそれらは対称ではないようです。 右と左を…

思いやりのかたち

お弁当を買いにスーパー万代へ行く。全てのレジが行列だったので各レジに並んでいる人数と、持っている籠の中身をチェックして早く順番がまわってきそうな列を選んだ。並んだ列の先頭にいるレジ中のお婆さんはもう間もなく終わりそうだ。次はカゴ1個をほぼ…

少年易老學難成

少年老いやすく學成難しという教えが身に沁みて分かる頃には文字通り老いを迎えている。學はもう諦めているが顔はなんとか若さを保ちたいと思うのは僕だけではないはずだ。老け顔にサヨナラするには表情筋を鍛えるのがいいらしい。ただしそれは一人の時にす…

人間臭さ

「先日中古で買ったパソコンに仕事で使う販売仕入管理のソフトをインストールしないといけないのだがそのCDをどこに片づけたのかどうしても思い出せない。仕方がないので思い当たる場所をひとつひとつ捜査しついでに要らない物は処分することにした。結局…

相性

一人一人はいい人なのに二人になるとどういう訳か合わない。馬が合わない、反りが合わない。つまり相性が悪いと言うことだ。 酸化性物質と還元性物質を混合すると発火、爆発を起こす所謂「混ぜるな危険」という関係に似ている。 濃くて重いストレート珈琲と…

音楽と美術とワイン

今日もお一人様ランチ。初めて入る出先で見かけた庶民的なグリル。カウンターだけの八人で満席になる街の洋食屋さん。席に座ると厨房が丸見えだ。七十歳をかなり過ぎたマスターと奥さんで切り盛りしている。初めてなので一番安いハンバーグとライスを注文し…

窓は開けてりゃいいさ 朝日も夕日も僕のものさ 窓は開けてりゃいいさ 雨も風も僕のものさ 諦めきれない何かがあったとしても 窓は開けてりゃいいのさ

過ぎたるは及ばざるが如し

プレミアフライデーらしい。午後三時に終業して余暇をエンジョイするそうだ。僕はまずテレビが午後三時に放送を終了してはどうだろうかと思う。もちろん災害や事故等が発生した場合は別だが。ただそれも各局が競うようなことではなくだ。 ついでに言うならハ…

信号待ち

各駅停車しか止まらない小さな駅。時々僕はこの駅を利用する。駅の利用というのは乗車あるいは下車する事だが、僕にとってのこの駅は乗車するだけの駅である。かつては賑やかだったんだろう駅前の商店街も寂れてしまっていてシャッターが降りたままのお店も…

ある朝の風景

休日の朝、ムッシュ・クロックとマダム・クロックは二人揃ってカフェへ行く。クロワッサンとカフェオレがいつものメニュー。ムッシュは新聞に目を通しマダムはファッション誌。マダムが目を留めて見ていたページをムッシュの方に向け「この髪型どうかしら」…

平衡感覚

車窓の景色は山と田んぼと空。都会を少し離れると日本中大体こんな景色だ。列車がカーブに差し掛かると車窓の山や田んぼや空が傾く。実際には列車が傾くのだが景色が傾くように見えるのが面白い。カーブが終わるとまた景色が真っすぐに戻る。次のカーブが待…

肥やし

箪笥の肥やしはありませんか。肥やしは沢山ありますか。長い年月が経っていませんか。その肥やしの効果で箪笥は大きくなりましたか。もし箪笥の大きさが変らないのならそれはもう肥やしではありません。ゴミだと諦めるか再利用を考えるかふたつにひとつです。…

色の紅梅、香りの白梅

奈良時代に中国から渡来した白梅を当時の人々はたいそう愛でたそうです。そしてその百年後の平安時代に今度は紅梅が中国から伝わりました。その時の人々の驚きようは大変なもので紅梅の人気は一気に高くなり白梅を凌ぎました。 新歌舞伎座の裏手で写したこの…

生きる場所

「お帰りなさい」知らない女が僕に言う。 「やぁ、お帰り」知らない男も僕に言う。 僕はいつも通り満員電車に揺られて会社へ行き、仕事をし、同じ課の連中と昼飯を食い、そしてまた満員電車に揺られて家に帰って来たはずなのに一体ここは何処なんだ。 朝家を…