筆の動く儘に

妄想と創作の狭間を漂流する老人のブログ

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

音楽と美術とワイン

今日もお一人様ランチ。初めて入る出先で見かけた庶民的なグリル。カウンターだけの八人で満席になる街の洋食屋さん。席に座ると厨房が丸見えだ。七十歳をかなり過ぎたマスターと奥さんで切り盛りしている。初めてなので一番安いハンバーグとライスを注文し…

窓は開けてりゃいいさ 朝日も夕日も僕のものさ 窓は開けてりゃいいさ 雨も風も僕のものさ 諦めきれない何かがあったとしても 窓は開けてりゃいいのさ

過ぎたるは及ばざるが如し

プレミアフライデーらしい。午後三時に終業して余暇をエンジョイするそうだ。僕はまずテレビが午後三時に放送を終了してはどうだろうかと思う。もちろん災害や事故等が発生した場合は別だが。ただそれも各局が競うようなことではなくだ。 ついでに言うならハ…

信号待ち

各駅停車しか止まらない小さな駅。時々僕はこの駅を利用する。駅の利用というのは乗車あるいは下車する事だが、僕にとってのこの駅は乗車するだけの駅である。かつては賑やかだったんだろう駅前の商店街も寂れてしまっていてシャッターが降りたままのお店も…

ある朝の風景

休日の朝、ムッシュ・クロックとマダム・クロックは二人揃ってカフェへ行く。クロワッサンとカフェオレがいつものメニュー。ムッシュは新聞に目を通しマダムはファッション誌。マダムが目を留めて見ていたページをムッシュの方に向け「この髪型どうかしら」…

平衡感覚

車窓の景色は山と田んぼと空。都会を少し離れると日本中大体こんな景色だ。列車がカーブに差し掛かると車窓の山や田んぼや空が傾く。実際には列車が傾くのだが景色が傾くように見えるのが面白い。カーブが終わるとまた景色が真っすぐに戻る。次のカーブが待…

肥やし

箪笥の肥やしはありませんか。肥やしは沢山ありますか。長い年月が経っていませんか。その肥やしの効果で箪笥は大きくなりましたか。もし箪笥の大きさが変らないのならそれはもう肥やしではありません。ゴミだと諦めるか再利用を考えるかふたつにひとつです。…

色の紅梅、香りの白梅

奈良時代に中国から渡来した白梅を当時の人々はたいそう愛でたそうです。そしてその百年後の平安時代に今度は紅梅が中国から伝わりました。その時の人々の驚きようは大変なもので紅梅の人気は一気に高くなり白梅を凌ぎました。 新歌舞伎座の裏手で写したこの…

生きる場所

「お帰りなさい」知らない女が僕に言う。 「やぁ、お帰り」知らない男も僕に言う。 僕はいつも通り満員電車に揺られて会社へ行き、仕事をし、同じ課の連中と昼飯を食い、そしてまた満員電車に揺られて家に帰って来たはずなのに一体ここは何処なんだ。 朝家を…

寝姿

美しい寝姿なんて天賦の才がなきゃ。 ほとんどは見苦しい寝姿。 私の寝姿を私は見られない。 だから今日もすっきり起きることができる。 おはようと素直に言える。

回転しない寿司

ぶりトロ 鮭皮の炙り とろサーモン まぐろ三種盛り 右から赤身、中トロ、大トロ カンパチ しまあじ 蒸し穴子 はまち 締めは決まってトロ鉄火 久しぶりの回らないお寿司でした。

象牙の舟

月灯りの海を象牙の舟で漕ぎだせば 忘れた歌を思い出すよと、カナリアは言う 恋人よ、僕のあの歌声はどこに消えたのでしょう ほら、象牙の舟を漕ぎながら歌っていたあの歌声ですよ 歌声を失った時はそりゃあ悔しかったですよ そして僕はとても悲しくなってオ…