筆の動く儘に

妄想と創作の狭間を漂流する老人のブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

寝姿

美しい寝姿なんて天賦の才がなきゃ。 ほとんどは見苦しい寝姿。 私の寝姿を私は見られない。 だから今日もすっきり起きることができる。 おはようと素直に言える。

回転しない寿司

ぶりトロ 鮭皮の炙り とろサーモン まぐろ三種盛り 右から赤身、中トロ、大トロ カンパチ しまあじ 蒸し穴子 はまち 締めは決まってトロ鉄火 久しぶりの回らないお寿司でした。

象牙の舟

月灯りの海を象牙の舟で漕ぎだせば 忘れた歌を思い出すよと、カナリアは言う 恋人よ、僕のあの歌声はどこに消えたのでしょう ほら、象牙の舟を漕ぎながら歌っていたあの歌声ですよ 歌声を失った時はそりゃあ悔しかったですよ そして僕はとても悲しくなってオ…

ドルチェ

「ひざ」を十回言ってみてと僕。「ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ」と言う君。いい終わったらピザを指差してこれは何?と聞く僕。分かっているけどあえて「ひざ」と答えてくれる君。そんな大人な女性がいいね。 ピザの後はシェ…

鈍行列車

例えば人生を列車の旅にたとえるなら目的地までの中間地点を通り過ぎた今鈍行列車に乗り換えるのもいいと思う 窓からの景色を楽しみ駅で止まればホームに降り立ち笛が鳴れば座席に戻り好きな本を読みながらお茶を飲む 年々速く感じる時間の流れも鈍行列車の…

覚えていたのに思い出せない

去年の秋、大阪を舞台にした小説が読みたいなと思いネットで検索してある小説を見つけた。いつか読もうと思ったままいつの間にか忘れてしまっていた。 年が明けたある日、そういえばあの時読もうと思って検索した小説はなんという題名だったっけと突然気にな…

縦の糸と横の糸で織りあげた布に人を暖める力があるのなら規則正しく編んだ竹には離れてしまった心と身体を一つに繋ぐ力があるだろう