筆の動く儘に

妄想と創作の狭間を漂流する老人のブログ

記憶

左足の薬指が痛い。左足の薬指の先っちょが痛い。なぜ痛いのか記憶を辿る。ああそうだ。重いものを両手で持って足元が見えないまま運んだ時に床にあった硬くて重い物に左足の薬指をぶつけたんだ。なんで重い物を運んでたんだろう。ああそうだ。広いスペースを作ろうとしたんだ。でもなんで広いスペースを作ろうとしたんだろう。そうだったそうだった。普段掃除の行き届かないところを徹底的に掃除しようとしてたんだ。だけど掃除嫌いの俺がなんでまた掃除しようと思ったんだろう。ああそうだった、散らかりまくった床にいろんな物で隠れていた10キロのダンベルに右足の薬指をぶつけてあまりの痛さに掃除をする決心をしたんだった。
記憶を辿って全貌が明らかになった今、右足の薬指の先っちょの痛みはまだかすかに残っていた。