2018-01-05 酸っぱい味 短編 特売で買ったインスタントコーヒーに湯を注ぐ コーヒーはブラックだね、なんて気取ってるわけじゃない ミルクとシュガーが面倒くさいだけ 湯を注ぐときにこぼした水浸しのテーブル いちいち拭くのも面倒くさい フーフーと冷ましてゆっくりすする 舌の上をゆっくり転がり そして一気に喉から落ちる マグカップの底に残る黒い粉 ぼんやりそれを眺めていると 酸っぱくて熱い息が 生きてやるぞと登ってくる