筆の動く儘に

妄想と創作の狭間を漂流する老人のブログ

思い出の本

おはようございます、じゅん爺です。

幼稚園の年長さんの時に買って買ってとせがんで買ってもらった本が僕の思い出の本です。

それは「りゅうの目のなみだ」という本。

 

『なぜ怖がるの? なぜ嫌うの? なぜいじめるの? 「ぼくは、ね、おまえさんをいじめはしない。また、だれか、いじめようとしたっても、かばってあげる。」

凍りついた心は、優しい子どものこの言葉に解け出し、やがて涙の川に...。』

 

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幼稚園児だった僕は机も本棚も持っていなかった。

当時の僕の私物は全ておもちゃ箱に。

確かみかん箱かリンゴの箱をおもちゃ箱にしていたと記憶する。

「りゅうのめのなみだ」は自動車やロボットやピストルと一緒にそのおもちゃ箱に入れていた。

  

本は弱かった。

プラスチックやブリキのおもちゃにもみくちゃにされた。

紙の本はくたびれて背は裂けてしまい一冊だった本が二冊になり三冊になり見るも無残に分解されてしまった。

 

子供って何であんななんだろう。

あれだけせがんで買ってもらった本なのに本の体を成さなくなると僕は何の感情もなくいともあっさりと捨ててしまったのだ。