筆の動く儘に

妄想と創作の狭間を漂流する老人のブログ

キンカン2つ食べました小さいくせに種はいっちょまえ喉の奥からスーッと柑橘の息むぎゅっと掴むと掌に9個この9個をキュンカンと呼ぶよ

追っかけっこ

風に舞う落ち葉を追っかける 辿り着いたよ団子屋さんに おばちゃん 桜餅ちょうだい 桜餅を頬張って歩く舗道 今度は落ち葉が僕を追っかける

ゴボウと団子と虫の声

ゴボウはゴンボさん 団子はお団子 団子の前に味噌がつけば 味噌団子 ナスビはおナス 団子はお団子 だけど芋だけ丁寧に お芋さん 暑さ寒さも彼岸まで お暑うございました お寒うございました 秋分 お彼岸 虫の声 チンチロリンと味噌団子 早く食べろとチンチロ…

十七夜

十五夜お月さん見なかった 十六夜お月さん見なかった 立待お月さんきれいやなあ

プラムと雨音

プラムの皮を剥く 思いのほか手強い プラムを回しながら 皮を引っ張りながら 赤い皮を無心で剥く ポツポツという雨音 静寂とは無音のことではない

花の枝風に吹かれて舞う花弁ひらひらふわり川面満開

うろこ雲

もう秋だよ。 お前の好きな夏はもう行っちまったのさ。 いい加減踏ん切りつけな。 高い空からうろこ雲がそう言ってる。 まったく秋ってやつは残酷だ。

答えは自然の中に

綺麗な鏡に映る顔は本当の顔ではない 流れる水に映る顔こそが真実の顔なのだ さあ土砂降りの中を裸足で歩くがいい 流れない雲はなく 無風という風は吹かない 感じるな、考えろ ポケットの中の過去を杖替わりにしてはいけない

乾いたスポンジ

独りぼっちのスポンジは 乾いて乾いて乾ききり 人差し指で押されても 反発どころかへこまない 独りぼっちのスポンジが 突然水をかけられる スポンジだって意地はある 最初のうちは弾いちゃう だけどすぐさまなしくずし 独りぼっちのスポンジが 水を吸ったら…

象牙の舟

月灯りの海を象牙の舟で漕ぎだせば 忘れた歌を思い出すよと、カナリアは言う 恋人よ、僕のあの歌声はどこに消えたのでしょう ほら、象牙の舟を漕ぎながら歌っていたあの歌声ですよ 歌声を失った時はそりゃあ悔しかったですよ そして僕はとても悲しくなってオ…